「季節の色」に魅せられて

ここ連日、草木染めをしています。

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この春は染めのことで頭がいっぱいです(笑)

自然界はまさに春を迎えて、百花繚乱♪
小さな草花達が精一杯花を咲かせ、虫達が動き回り、ツバメが帰ってきました。

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身体をぎゅーっと縮こませていた冬が終わり、心の底から春が嬉しいと、自然界の色たちが眩しいくらいに眼に飛び込んできます!

今年の春はなぜかとても黄色に心惹かれます。
菜花の黄色。

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水仙の黄色。

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タンポポの黄色。

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心がぱぁ〜っと明るく、元気になります。

畑を耕し、田んぼでお米を作り、豆を収穫して味噌を仕込む。
そんな土と共にある暮らしをしながら、ある時、自然界の色と食卓の色が完全にシンクロしていることに気がつきました。

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↑夏の外ごはん。カラフルでパワフル!

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↑冬の一人ごはん。茶色一色(笑)

旬のものを新鮮なままにいただく食卓ならば当然のことなのに、気がついた時はとても新鮮な驚きでした。

日々、自然界の色にとても影響を受けている自分を感じます。

中国最古の書物『書経』には、「草根木皮(漢方薬のこと)は小薬なり。鍼灸は中薬なり。飲食、衣服は大薬なり。」と著されているそうで、もともと治療として薬草を染み込ませた布を纏うことが「服用」の語源と言われています。

草木染めをしていると、本当にたくさんの植物で染められることがわかって驚きます。
そのほとんどが食べられる身近な植物たち。
食として、口から植物のエネルギーをいただくことと、
衣服として、肌から植物のエネルギーをいただくことは同じなのです。

昨夏、藍の生葉染めに魅せられて、たくさんの方と染めの会をご一緒しました。
あの夏空に溶け込むような空色に魅せられっ放しでした♡

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そんなに大好きな色なのに、不思議と自然界が紅葉を迎える秋には、藍の生葉染めの色に手が伸びなくなるのです。
赤や茶色、カーキ色などを身に纏いたくなるのは、やはり自然界の色にエネルギーをもらっているからでしょう。

その季節その季節の色をいただくこと。
色を身に纏うこと。
そうして昔の人たちは暮らしの中に「草木染め」が溶け込み、手間暇をかけて植物から色をいただき、服として着ることで自然界のエネルギーを取り込んでいたのでしょう。

自分で染めた服に袖を通す時のあのトキメキ!
染め上がって行く時のあのワクワク感!
そして、どんな色に染め上がるか完全にコントロールできない、植物の力に委ねるしかない一期一会の色。

これはもう染めてみた人にしかわからない、たまらない魅力♡

この春は庭に生えてくるヤブカンゾウと、お付き合いのある桃農家さんから桃の枝をいただいて、色をいただきました。

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↑庭のヤブカンゾウ。食べられます!

優しく淡い春のグラデーションに包まれながら、染め上がった布を見てはニヤけてしまいます。

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↑ヤブカンゾウ、桃の枝で染めたテスト染めの布たち。

まだまだ始めたばかりの草木染め。
あまりの奥深さに困惑することも多々あるけれど、身に纏う瞬間のあの「わぁ〜♡」のために、今日もせっせと火の番をしています!