ひだまり暮らしが主催するお味噌づくりの会が全日程を修了しました。
収納してあった味噌仕込み道具を洗って、天日干し。さぁ、始まるぞ!とワクワクした晩冬の頃。辺りはまだまだ冬景色でした。
お味噌の原料となる青大豆を土づくりから、種まきから始める我が家のお味噌づくりは、年に一度のとびっきりのハレの日✨
晴れがましく、嬉しく、感慨深く、感謝が満ちる日でした。
そんなハレの日をご一緒できた皆さま、
本当にありがとうございました。
振り返ると募集のご案内をしたのが昨年末。
2度の緊急事態宣言(延長)に、
毎日毎日2人で悩んで話し合って、
何度もお味噌づくりの原点と初心に立ち返って、
開催を延期したり、中止したり、開催に踏み切ったりしてきました。
どのご連絡においても頂くお返事に励まされ、勇気を頂きながらの日々でした。
この状況下だからこそ、私たちからのメッセージを受け取ってくださり、
「発酵食を見直すこと」
「食で身体を整えること」
「自然との共生を活かすこと」
をとても大切に捉えている方が多かったです。
お味噌が日常食となり、お味噌づくりが大切な年中行事になっている方もたくさんいらっしゃいました。
ですから、お話することが全て「談義」であり、実践の中から生まれる実感を交わし合う喜びや楽しさがたくさんありました。
(楽しすぎてテンション上がりまくって喋りすぎました😝)
【青大豆の過去・現在・未来】
農的暮らしというのは、いつの時も時間軸がパラレルにあり、時に交錯します。
すぐに出来上がらない発酵の時間は、委ねて待つ喜びをも醸してくれます。
今日のお味噌は過去に仕込んであったから。過去に種を蒔いておいたから。
今日仕込んだお味噌は未来の自分と大切な存在のため。
そうやって過去からの「タイムカプセル」に支えられながら、同時に未来へ託すのですね。
【本当に良いものは一度にたくさんつくれない】
そんなことを体感として感想をくださった方もいらっしゃいました。
市販のお味噌の成分表示にある添加物は、自分ではない「誰か」、ここではない「何処か」でつくられ、流通にのり、たくさんのお陰様の手でつながっているから。
全部を自分の手で無添加でやるとなると、膨大な手間暇がかかるのだと、たった4キロ、されど4キロのお味噌が教えてくれました。
【ハレとケ】
私たちのこの肉体、細胞、そして心までも養ってくれるのは、毎日毎食のご飯です。
余裕がなく忙しない日常のときも、そこに手前味噌のお味噌汁がありますように。
ケの日常にこそ無理のない手間暇による充実がありますように。
私たちの青大豆は、お味噌は「命をつくっているのだ」と実感を新たにしました。
お味噌づくりの日は青大豆にとってはハレの一日。
この日を迎えるために364日の青大豆の一生がありました。それを全て見守り、見届け、お世話してきた私たちだからこそお伝えすることができるお味噌づくりがきっとあるはずだと思っています。
青大豆の煮汁は、しっかりと冷ましてから玉ねぎ苗にかけてあげます。水分と豆の成分が玉ねぎを育てる肥やしとなります。
可能な限り青大豆が育った畑をご案内しました。土に触れ、作業の機械を見ていただき、青大豆を脱粒した後の枯れ枝や鞘も火の焚き付けに使ったり、土に漉き込んで土づくりに生かしていることを畑でお話しさせていただきました。
ゴミではなく、大切な資源として循環させる私たちなりの自然との共生も、地味に地道に繰り返す大切な日常。
そんなケの日常の果てに、晴れがましく感謝に満ちたお味噌づくりのハレの日を迎えることができました。
このお味噌が出来上がるのは年末の声が聞こえてくる頃でしょう。
その頃には朗らかな状況であってほしいと祈りを込めました。
またその頃にお味噌開きのご案内を通して交流できますこと楽しみにしています。
新型ウィルス感染防止対策にご理解いただき、ご協力くださった皆さん、ご参加を本当に有り難うございました。
お味噌が美味しく醸されますように。
手前味噌のある日常が健やかでありますように。
お味噌づくりの会の全日程が修了したら、春がやって来ていました。