【レポート】畑とつながる台所〈枝豆〉

「畑とつながる台所」今が旬の枝豆を味わいました。

雨の中の収穫となりましたが、畑にとって雨は恵みです。
雨仕様の持ち物や当日の進行などにご協力いただいて、晴れの時には見れない景色、畑の様子、作物の様子を見てもらうことができました。

レインコートを着ながら収穫し、テント下で鞘を採ります。
株の大きさや鞘に虫がついていることなど、畑から収穫直後の枝豆を見てもらいました。

枝豆というのは大豆の乾燥が始まる前の未熟な状態です。我が家は主に味噌仕込み用に「青大豆」という品種の大豆を栽培しています。
枝豆というと真夏のビールのお供というイメージですが、大豆用の枝豆は10月中旬ぐらいが旬なのです。

鞘から外したばかりの匂いを嗅いでいらっしゃいます。こんな風に五感で感じることは、料理することや食べることにつながるとても大切な体験です。

そんなお話しをしながら、釜茹でするための枝豆を採り、少し選別も。

雨でなかったら畑でもっと青大豆の様子を観察したり、土のお話しなどもしたかったです。

さぁ、釜茹でしましょう!沸騰したお湯に入れた瞬間に変化する緑色の鮮やかさ!

黙々と鞘を採る単純作業からの、一瞬の鮮やかな色の変化に、私はいつもながら台所で感動します。ささやかでも匂いや色の変化などを見逃さずにキャッチすることは、お料理をするときの大事なヒントのように思います。

「甘~い!!」「味が濃い!!」

ついさっきまで畑にあった枝豆の最高に新鮮な採れたての味です。

ほんの少しだけ茹で上げるのに時間差をつけました。硬め柔らかめで食感だけでなく味にも違いがあると気付いていらっしゃいました。

枝豆好きのみなさんにとても喜んでいただけて、「美味しい」というのは食べる命への最大の賛辞ですね♪

そして美味しい笑顔というのは、私たちつくり手にとっては何よりのフィードバックになり原動力となります。

採れたて枝豆で「枝豆ご飯」をつくる行程をデモでお伝えしました。我が家のいつものおうちご飯ですが、ほんの少しのコツでシンプルで最高に美味しいです。

まだ新米ではありませんが、お米も我が家のお米です。

さぁ、いただきます!茹でたて枝豆も食卓へ移動して♪

お味噌汁のお味噌は2019年仕込み。この日の枝豆の“祖母”にあたる2代前の青大豆で仕込んだお味噌した。そんなお話しの中で種を採り継ぐことも話題に。

少し肌寒い日でしたので、熱めのお味噌汁にしたら「あ~、美味い…」としみじみ味わってくださいました。

ほんの少しだけ盛り付けを変えているけれど、いつもの我が家のおうちご飯。

我が家の調味料は基本的に塩と醤油とお味噌です。(柚子胡椒など、季節の手づくり調味料は基本の調味料のアレンジなのです)調理の行程もシンプルだけど、畑とつながる食卓は、素材そのものの味が引き立つ滋味深い美味しさがあります。

食べながら本当にたくさんの話題に広がりました。参加者のお一人が「自分には食べる哲学のようなものはないけれど、シンプルで新鮮なものを食べている時はとても身体の状態が良い気がしている」と話してくださったことがとても印象的でした。

「シンプルで新鮮」それはまさに「畑とつながる台所」を通して届けたい大切な価値です。

食べ終わっても話は尽きず、シェア畑を借りている方、プランター栽培をされている方、これから畑をしてみたい方からどんどんと質問や感想などが溢れ出るような、楽しく興味深い時間となりました。

畑に足を踏み入れ、自らの手で収穫し、すぐその場で味わうこと。
食べるものをつくる生産者の思いを畑で聞き、その食べものを愛着をもって料理する人と一緒に食べること。
その中で日常では知りえない、見えてこない「過程」が見えてきます。

畑と台所と食卓がダイレクトにつながることで感じられる美味しさ、豊かさ、喜びが、参加者の方の体験を通して届きますように。

次回の「畑とつがながる台所」は〈大根〉の予定です。
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