2020年の秋分の候は9/22からスタートしました。
春分の日から半年が過ぎ、昼夜の長さが等しくなり、秋の大きな節目となります。
秋のお彼岸を迎えるころ、我が家の周りには名前の通り彼岸花が満開となりました。
今年の中秋の名月は10/1の夜。なんとか雲の切れ間からお月様を眺めることができました。
畑には刈り残したススキが西陽に輝くようでした。草刈りのついでに何本か摘んで、お月様に供えました。
また、夕刻にふわりと香った金木犀。空気全体までが香りに染まるかのように秋の深まりをつげてくれました。
秋分の候は、なんといっても稲刈りと脱穀。実りの秋の手ごたえをずっしりと感じられる嬉しくて安堵するとき。
稲の種籾を蒔く「籾おろし」から5ヶ月半。お田植えからちょうど4か月の稲の物語もいよいよ新米まで目前となりました。
一面の黄金色の稲穂が風にたなびく光景、天日干しのためにはざ掛した光景は、いつまでも眺めていたい日本の原風景とさえ感じる光景でした。
畑では、味噌仕込み用の青大豆が鞘を膨らませている時期。
今年は梅雨の長雨のために、青大豆の種まきが適期にできず、本当に難しい年でした。種まきの時期によって、直播か苗の定植かで鞘の付き方が違うのが興味深いところです。
10月中旬からの枝豆の会に向けて試食をしました。まだまだ豆が膨らむ途中ではありながら、甘くて美味しい!
味噌仕込み用大豆の枝豆は、秋が深まりゆくこの時期が旬なのです。
また、秋冬野菜の種まきや定植を、お天気と仕事の予定を調整・相談しながら進めます。
種を採る株を残して、残りは片付けます。バジル、トゥルシ―、青紫蘇、赤紫蘇。
紫蘇の穂が董立ちし始めると、紫蘇の実の保存食づくりの算段を始めます。
今年は青紫蘇と、初めて赤紫蘇の穂を収穫しました。
ここ数年、紫蘇の発芽(芽だし)に成功できるようになってからは、畑に苗を定植できるようになったため、葉も穂もたくさん収穫できるようになりました。
これまではなんとなく漬けていた紫蘇の実ですが、今年は少し比較実験をしました。
写真左から(全て実は同量で、穂のまま下洗いしてから軸から削ぐようにしたもの)
①実を生のまま、塩10%で漬けたもの。
②下茹で(熱湯に30秒ぐらい)して、水にさらさずに、粗熱をとり、水分をしっかりと取り除き、塩10%で漬けたもの。
③一晩水に浸けてから、水分をしっかりと取り除き、塩10%で漬けたもの。
写真でもわかるように、色味が歴然と差が出て、食感とあわせて②を採用することにしました。
その後、残りの穂紫蘇を全て②で塩漬けにして保存することにしました。
ポテトサラダに入れたら、彩りもきれいで、爽やかな香りも嬉しい一皿に。
紫蘇の穂は、頂点に花がわずかに咲いているころが収穫適期です。それを過ぎると種が熟してしまい、口当たりが良くありません。
穂紫蘇に限らずですが、季節の手しごとは天気と作物の一番適した瞬間に作業できるかがとても大事です。
人間の都合通りには進まないのが、自然を相手にするときの「心構え」とでもいいましょうか。
ですので、「そろそろだな…」と適期を読む観察力と、事前にレシピを確認しておいたり、道具や材料を準備しておいたり、時間の都合をつけておいたり…という算段が「よし、今だ!」という瞬発力につながります。
その算段ができるようになると、季節の手しごとは無理なく、自分らしく、楽しい範囲で続けられるようになるのだと、やっと最近わかるようになりました。
続けながら慣れることで、自分だけの塩梅が生まれ、自分だけのレシピができてくるのは、歳を重ねることと同じように、しみじみと嬉しいこと。
冷蔵庫にしっかり納められた穂紫蘇の塩漬けを眺めては、どんな使い方をしようかとホクホクしています(笑)
あんなに暑かった夏から、ストンと秋になり、あっという間に初冠雪の便りが!
年々、春と秋が短くなったように感じます。
薪ストーブの初点火は、そろそろでしょうか…