きせつをたべる台所<処暑編>

2020年の処暑の候は8/23からスタートしました。
空には夏と秋が隣り合わせにいるようです。

「暑さを処める(おさめる)」というように、あれほど暑かった陽気もすっかり朝晩は涼しくなり、空模様にも秋を感じるようになりました。

連日の酷暑にバテバテだったので、この処暑の候を迎えて、心底ホッとひと息つけました。

大暑→立秋と、暦と天候がちぐはぐでしたが、処暑はどうやら暦通りでした。

田んぼでは稲穂がすっかりと頭を垂れ、黄色く色づき始めてきました。

稲刈りの算段を始める頃となりました。

8/31は「二百十日」といって、台風が上陸する時期となり、農家さんは気を引き締める節目の日です。立春から数えて210日目になります。

ひだまり暮らしでは「暮らしの手しごとの会」や「ヨガリトリート」で藍の生葉染めをご案内する日が続きました。

天候不順のためにゆっくりだった藍の成長も、この頃にはすっかり盛り返し、私の膝丈を越すぐらいまで元気に成長してくれました。

我が家の藍は白い花を咲かせる品種。2020年は8/25が初見でした。

気がつけば藍の花芽が上がってきていました。
花を咲かせ種をつけるために生命エネルギーが集中するため、藍の色素が出にくくなると言われ、藍の生葉染めはこの花芽が上がってくる9月初旬までしか染められない、文字通り季節限定の染めです。
藍を栽培している人にとっては、花芽を見つけると「急がなきゃ」と内心焦ります。

夏の終わりを意識する、自然界からのお知らせですね。

大好きな朝顔。今年は種まきも定植もなかなか手が回らず、半ば諦めていたのですが、8月中旬ごろからやっと朝を告げるように咲き始めてくれました。

田んぼの水見から帰ったら、1輪摘んで飾るのはささやかな夏の朝の楽しみでした。

食べるものをお世話するので精一杯な私たちですが、朝顔と向日葵だけは心の栄養のために毎年種を採り来夏につなげたいと思っています。

立秋の頃からうっすら見かけるようになるススキも、処暑になるとすっかりと穂を広げ、風にたなびくようになります。

夏雲とススキは晩夏らしい光景です。

2020年の目標のひとつだった、近所のおばあちゃんから種を分けてもらった赤紫蘇で梅干しを漬けること。

なんとか夏の土用期間中から干し始めることができた前半分の梅干し。残り半分はゆっくり赤紫蘇を漬け込んで、残暑が厳しいという9月の長期天気予報を眺めてのんびりしていたら…バッタにかなり食べられてしまいました(焦)

慌てて赤紫蘇ジュースに!(←梅干しにはタイミングが合わずに、白梅干しに決定w)

今年は梅シロップがたくさんあったので、なんだか糖分は控えたい感じがして、赤紫蘇ジュースは砂糖なしで作ってみたら、美味しーーーーい!!

レシピというほどでもないのですが(笑)来年の参考にしていただければ。

<材料>

□赤紫蘇 適量(手に入るだけ。できれば無農薬) □米酢 適量

<手順>

①葉をよく洗い、茎から葉を取る。(時間がないときは茎についたままでもok。鍋に入る大きさに切る)

②鍋に8分目くらいの水を入れる。沸騰したら葉を入れ、5分間くらい煮出す。

③葉を取りだしたら、米酢を加える。(少ない量から加え、味を見ながら好みの味になるまで追加する)

※鍋の大きさと葉の量によって濃さが決まります。鍋に葉がいっぱいになれば濃い目の仕上がり。砂糖を加えないので、きっちり計量しなくても大丈夫!

※米酢の代わりにレモン汁などの柑橘系の酸味でも代用可。

※炭酸水で割っても、氷を浮かべても、とてもさっぱりしてゴクゴク飲めますよ♪

あの米酢を加えたときの鮮やかに変わる色あいは作っている人だけが見ることができるお楽しみ♡なんとも鮮やかな自然の色に元気もらいます。

 

田んぼ仲間のお友達が、我が家の田んぼを見に来てくれたのは、処暑の末候「「禾乃登(こくものすなわちみのる)」の頃でした。田んぼに実った稲が穂をたらし、稲刈りを控えるこの時季は、豊作を願って、心身を整えつつ過ごす頃です。

暑すぎた夏を越え、実りの秋を楽しみに身体と手を働かせています。