2020年7月18日に農的暮らし体験会<小満>を開催しました。
メインはなんといってもカラフルじゃがいもの収穫体験です。
参加募集のご案内のときには「梅雨が明ける頃」と書いたものの、当日は朝から雨が降り、連日の雨で畑の土はかなり重く、収穫体験としてはハードな条件となりました。
偶然にも今回の参加者のお二人は、何度も我が家を訪れ、参加してくださった方たちです。
そしてそれぞれに季節の手しごとやお料理をし、自分サイズの畑をもち、自然との関わりを大切にもち、実践の中から生まれる知恵や自然観をお持ちです。
天候のため、スケジュールを臨機応変に入れ替えて、午前中に我が家の夏野菜の観察と収穫。
家庭菜園も自分サイズで実践されているので、野菜の仕立て方や品種、また土づくりなどについての情報交換をしました。
我が家の定番じゃがいも料理のクッキングタイム。
「昨年、作ってみた時にもう少し揚げた感じが出るといいなと思っていたんだけど…」
「あ、それは、クッキングペーパーでね…」
実践したからこその質問だったり、私自身が失敗から学んだコツだったりを自然とシェアする場面がありました。
また、紫色が鮮やかな品種シャドークィーンを切った時に、まな板と包丁が紫色に染まりました。
「あ、色移りするから、先にアンデス赤など(色が薄いじゃがいも)から切れば良かったな」と呟いたひと言は、食べ物の命を慈しむ気持ちからにじみ出るものだったように、私には感じられました。食材を切る順番までも繊細に大切にする気持ち、勉強になったなぁ~!
はい、完成♪
畑と、台所と、食卓がまっすぐにつながります。
我が家の素朴な家庭料理をご一緒に。じゃがいもたっぷりのメニューです。
夏の保存食の定番でもあるQちゃん漬けをお出ししました。そこからQちゃん漬けのレシピ交換も始まり、「そんな作り方もあるのだなぁ」と嬉しい情報交換。
またポテトサラダに、紫玉ねぎを赤梅酢で下処理したものを混ぜていたところから、お互いの梅しごとに話題が広がりました。全員、それぞれのできる範囲で無理なく、楽しく、梅しごとの実践者。これぞまさに「談義」!いくら時間があっても足りないくらいに話題は尽きず、本当に楽しい♪
梅しごとから更には草木染めの話題へ。梅漬けに入れる赤紫蘇を塩揉みしたあの灰汁の鮮やかな色を晒しに染めて、どんな風に色が定着するか…等々。
我が家の畑に先日、鹿が侵入した話題から、獣害のことや猟師のこと、山の中で熊と鹿を気配で見分けた体験のことなど、それはもう「自然観」としかいいようのない、とても深い話へと広がりました。
「農的暮らし体験会」ってタイトルで募集案内をさせていただいたこの日。
「農的暮らし」の中には畑、作物、農法、食、季節の手しごと、DIY、天候と気候、持続可能にするための知恵、人間と環境との関係…様々なことが内包されます。
じゃがいも収穫という一時の「体験」だけにとどまらず、体験を積み重ねる「実践」から生まれる感覚や知恵をシェアします。そこには主催者と参加者という関係性以上に、実践者としての対等な学びと楽しさと喜びがありました。
月イチで参加され、ほぼ「通う」ように体験を重ねてくださる方との「前回話題になったアレは、その後どうなった?」「あの時話していたのをやってみたら、こうなったよ」という継続性のある実践報告も、しみじみと興味深く、農的暮らしの豊かさを共有できますね。
2020年のコロナ禍において、暮らし方や住む場所、生き方を改めて見つめ、生きる本質を問い続けている方が多いのではないでしょうか?
農的暮らしの中に、「農的暮らし体験会」の中に、そのヒントがきっとあるように思います。
楽しい、美味しい、自分の手しごとについニヤニヤしちゃう愛着に、豊かで、健やかな、初心者さんもベテランさんも自分だけのヒントを探しに来てくださいね!
次回は、藍の生葉染め体験の予定です。