2019年の藍が教えてくれたこと

2019年 ひだまり暮らしの藍の生葉染めは全日程を終えることが出来ました。
今夏はのべ101名のみなさまと空色の染めをご一緒することができました。
本当にありがとうございました!

ひだまり暮らしでは様々なプロジェクトを通して、藍の生葉染をご案内してきました。

ヨガの1dayリトリート。

ハタリト-畑からはじまる農ある暮らし体験リトリート-

暮らしの手しごとの会

同じ生葉染の工程を経る中でも、プロジェクト毎の趣旨によって会の雰囲気は異なり、私たちがご案内する内容も少しずつ異なりました。
それでも全ての会において、私たちの根底にある想いは藍の生命力への敬意と感謝でした。

今春は4/28の遅霜に象徴されるように天候不順な時期が長く、藍の種まきは例年1回のところ、今年は4回も蒔きました。

定植も4回におよびました。ネキリムシに喰われてしまい植え直しも何回もありました。

例年であれば7月の中旬から生葉染ができるくらい大きく成長しているのですが、今年は約一か月遅れの感がありました。

長引く梅雨のために記録的な日照不足も重なりました。

今年の藍は本当に成長がゆっくりで、楽しみに待ってくださっている方たちの期待に応えられるか、本当に気が気でない毎日でした。

だからこそ、試し染めの時にはさみを入れるのは感慨深く、一年ぶりの空色に逢えたときは心から感動し、藍の生命力に感謝しました。

私たちが食べる食物は土とお日様が育んだ命です。
そしてそれを見守り、お世話する「手」の存在があること。
土と離れ、お金と交換で買う食物は、ついつい命と手の温もりを忘れ、モノと化してしまいがちです。

私たちが纏う衣も植物、動物からいただいた命であること。
染める色も命あるものからいただく命のエネルギーそのものであること。

その命をいただいている感覚と感謝を忘れなければ、自分と自分のまわりにある命あるものへの優しさに満ちた暮らしや社会になるでしょう。

種を蒔き、はらはら、オロオロと心配しながらお世話し、その成長を見守った私たちだからこそ伝えられる藍の生葉染めがあると思っています。

今夏、101人もの方と藍の生命力を共に感じました。
その中で見えた課題は謙虚に受け止め、考察し、より技術力を高めます。

そして、すでに来夏を楽しみにしてくださっているみなさんの笑顔を励みとしながら、ひだまり暮らしらしい藍の生葉染めをもっとしっかり見据えていこうと思います。

みなさんが精一杯絞り取ってくれた葉の搾りかすと茎は、全て刈り取った藍の根元に還し、また次の命を育むための肥やしとなります。

たくさんの方を笑顔にしてくれた藍さん、
たくさんの感動をくれた藍さん、
懸命に成長してくれた藍さん、
本当に素晴らしい生命力でした。

命をいただきます!
心からありがとう!!