ちいさな暮らしの田んぼの営み2021

2021年度も無事に新米をいただくことができます。

新米を一番初めに口に運ぶとき、稲が種籾から育つ様々な光景が思い出され、しみじみと有難く噛みしめます。

良い種籾を塩水で選抜後、「温湯消毒」という稲の病気対策を施し、数日間お湯の中で芽だしします。育苗の大切な第一歩!
「籾おろし」つまり種まきです。今年は全て育苗トレーに種まきしました。
発芽した育苗トレーを水を張っておく育苗プールへ移動。毎朝毎夕シートを開け閉めして苗が蒸れないように日焼けしないように調節します。
代掻き。田んぼに水が入ります。。よく泥を練ることで水漏れしない田んぼになります。今年は2回やったのがとても功を奏しました!
お田植え。全て手植えです。
お田植えが終わった田んぼの光景は、痛い腰を伸ばしながらも充足感と達成感に満たされます。
初期除草。田車で東西方向と南北方向をひたすら行ったり来たり。
お田植え翌朝から、毎日2回水見に通う毎日が始まります。
8/4出穂(しゅっすい)最後の除草作業に重い腰を上げて早朝に田んぼに入ったら、なんと出穂していました。出穂が始まると田んぼには入りません。今年は8月に異例の長雨と低温、日照不足が続き、稲の開花・受粉に影響が出ないか心配でした。
稲穂が頭を垂れる前の、こんなスッとしている光景もとても好きなのです。
黄色く色づき始めました。
稲刈り前の最後の草取り。雑草の種をこぼさないのが翌年の草取りを少しでも少なくするためにとても大切。昨年までの草取りのお蔭と代掻きを2回やった効果で、驚くほど草が少なくて楽でした!
稲刈り。
稲を刈った直後しかみられない光景。稲の束が規則的に並びます。
はざかけ。稲を天日干しします。
はざかけの光景は日本人の原風景ともいえるでしょうか。稲刈りから脱穀までの約1週間しか見られない光景です。本当に本当に大好きな満ち足りた気持ちになる光景!
この時期には台風が上陸するので、はざかけが倒されないか、雨に濡れるとまた天日乾燥の期間が延びるので、とても落ち着かない時期でもあります。
とても手間がかかるけれど天日干しのお米はとても美味しいと言われます。後世に伝え残したい景色です。
脱穀。この辺りでは「稲こき」とも言います。藁と籾付きのお米に分けます。
籾摺りと精米。数年前からコイン精米所で精米しています。もみ殻を取るのが「籾摺り」。糠を磨くのが「精米」。
やっとお米さんにたどり着きました!

写真にはない畔の草刈りや水路の掃除、代掻き前の耕耘、電気柵のメンテナンスなど、地味な作業も淡々とこなす日々でした。

いつの年も同じようにお世話したいと思っても、全く同じようにはならない自然界と命の営み。
その不可抗力の中で揉まれながらも、知恵を絞り、工夫と改善を試行錯誤しながら、やっとやっとたどり着く新米のご飯。

東京で暮らしていた頃、スーパーでお金と交換=購入するお米に、これほどまで栽培に手がかかることも、どんな作業工程があるのかも全く想像さえできなくて、「お米という字は八十八の手がかかるという意味だから、大切に食べるんだよ」という意味は知識として頭で理解するしかありませんでした。

全ての工程を自分の身体と手で体感することで、命のプロセス「物語」をわかっている食べ物を口にすることの本当の有難さと喜び、美味しさが実感されます。

今年もなんとか無事にお米ができました!私達二人が食べる分以上にたくさん収穫できた豊作の年。ただただ有り難いです。
いつもSNSなどを通して我が家の田んぼの営みを見守ってくださった方へ、
我が家の取り組みを応援してくださっている方へ、
是非食べていただけたら嬉しいです!