種の大切さについて考えてみました

岡本よりたかさんの講演会に参加してきました。

よりたかさんは無肥料栽培の農業スクールを全国で開催したり、「たねのがっこう」という種を守るための会を主宰されています。
「種は誰のものか?」という著書から、
採っていいタネと採ってはいけないタネについて、
法律や用語の意味をとてもわかりやすく説明してくれました。

「自家採種、してもいいの?」
とにかくその一点について、しっかり学んで理解したかったのです。

田畑と台所がまっすぐにつながる暮らしの中で、私たちの口に入る食物は全て生き生きと生きていた「命」であることを実感しています。
お味噌の元になる青大豆は蒔けば芽が出る「種」なのだと、あの寄り添って芽生える双葉から教わりました。

今、私たちが育てている青大豆は、主人が近隣の方から分けていただいて、大切に10年以上採り継いできた種です。
種はその畑の土や微生物や虫などを記憶するそうです。
だから無農薬や無施肥でも良く収穫できるのだとか。
長く採り継いだ種はお金には代え難い尊い「財産」です。

「種とか苗って、ホームセンターで買えばいいんじゃない?」
山梨へ来る前の私は何の疑問もなくそう思っていました。

山梨へ嫁いできてから、お義母さんや近所のおばあちゃんから、これまで何種類の種を分けていただいたことでしょう。
何年も何年も採り継いできた種は、この場所での蒔きどきと併せて手渡されました。
それがどれだけ尊い暮らしの知恵であることか。

そして私達もお義母さんやおばあちゃんに習って、毎年少しずつ種をとる種類を増やしてきました。

その種とりができなくなるかもしれない⁈
ここ数年で農業や種に関わる法律が改正されて、種とり=自家採種が禁止されてしまうらしいという情報が耳に入るようになりました。
昔から連綿と続いてきた生きるための営みが、暮らしの知恵が奪われてしまうような不安と怖さを感じました。
しかしこの講演を聴いて、これまで私たちがしてきた種とりは今後も続けていけることがわかり、とても安堵しました。
今まで私たちが採り継いできた種はこれからも採り続け、無理のない範囲でシードバンクのようなも協力していくことが大切です。

 

マクロビオティックを学び、日々の台所で実践し、
真の健康とは?真の幸せとは?真の豊かさとは?って考え始めたら、食と農は分かち難くひとつでした。
食極まれば農に通じ、農極まれば食に通ずるのだと思います。

本当に美味しいご飯は、本当に健やかな畑から始まるのだと感じます。
本当に健やかな畑は、土も水も空気も種も健やかだからこそです。

世界中の人が自分で食べるものを自分で育てるようになったら、
地球はきっと平和になると思うのです!
なぜなら本当に健やかな畑のためには、真剣に土や水や種のことを考え、山や海や大地を大切にしようと思うからです。

日々、田畑を耕し、台所に立ち、まだ言葉にならない思いを、岡本よりたかさんが明確に現してくれたような講演会でした。

講演会のプロジェクターの最後の1枚は「これから私たちができること」。
その中に「多くの人に知ってもらう」とありました。
食のこと、農のこと、種がどうして大切なのか?
これからも私たちの暮らしを通して伝え広めていきたいと思います‼︎