ひだまり暮らしのお味噌仕込み2018シーズンを終えて

ひだまり暮らしのお味噌仕込み2018シーズンが2019年3月をもって、予定していた全日程を修了することが出来ました!
のべ140名近くの方にご参加いただいて手前味噌の美味しい愛おしい輪が広がったことに、心からの感謝と安堵の気持ちでいっぱいです。
ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました!

松の内が明けて早々に自宅用の味噌を120㎏近く仕込みました。
夫婦二人で仕込み、握力も腕力もぷるぷると震え、足先がキンキンに冷えた寒仕込みでした。

直後にはたけ日和2018シーズンのみなさんとの味噌仕込み。
前日の準備から参加してくれたメンバーさんとは麹屋さんの見学までできました。
半年間、種まきから一緒に過ごしたみなさんとの味噌仕込みは本当に感慨深くて、仕上がった樽を愛おしそうに抱きかかえ、微笑む光景が印象的で心に残ります。

3月からはヨガの1dayリトリートとして、たくさんの方にひだまり暮らしを訪れていただいて、どの会も笑顔と愛に満ちていました。

手のひらの温もりを感じるワークはとても素敵なオープニングメッセージでした!
手づくり、手しごとの「手」がもつ限りない可能性と力を再認識しました。

こうして青大豆にそっと手を添えてくださる想いに胸が温かくなりました。
青大豆をわが子のようにして大切に育ててきた私たちにとっては、この添えられた手のひらは何とも嬉しい、印象的なシーンでした。

青大豆の一生を写真を使ってお話しさせていただいた会もあります。
枝豆が大豆の若い状態であることを知って、「えー、初めて知ったわ!」と新鮮な驚きの表情も印象的です。
知らないというのは決して恥ずかしいことではなく、私たちは食べもののことについてあまりに知らないことがたくさんあります。
「You are what you eat.(あなたは、あなたが食べたものでできている)」
自分を生かしてくれる食べ物の生き様について知り、食べ物がすべて生き生きと生きていた生命であることを実感することは、自分と自分以外の命を慈しむ気持ちにつながるように思います。

大豆に触れ、大切に捏ね、樽に詰める行程は大豆の生命が食べるものへと姿を変えていく「命の移し替え」です。

3.11の前後の会では、手を合わせて「美味しくなるように」と願いを込めるシーンがありました。
それはそのまま平和な世界であるように、生きとし生けるものが健やかであるように祈る姿でもありました。
樽の輪、人の輪と和、祈る手と手。とても印象的で胸に残る光景です。

また、ひだまり暮らしの藍の生葉染めにご参加くださった方で、昨夏ご自分で染めたエプロンや手ぬぐい、樽を持ち帰るためにエコバッグを持参してくれた方が数名いらっしゃいました。
暮らしの手しごとを楽しみ、実際に日常生活の中で使い、里帰りするようにひだまり暮らしへご持参くださることがとてもとても嬉しく、本当に有り難いことです。

ある会では、1日を通して静かな瞑想的集中の空気に満ちていました。
特にお味噌仕込みの時間帯はほとんど話し声もなく、静かに、黙々と、静謐ささえ感じる雰囲気でした。
手しごとの時間は深く自分の内側に意識を向け、自分の心の声に耳を澄ませ、自分と対話するようなマインドフルネスの時間となりやすいです。
日頃、瞑想のレッスンをされる先生とその生徒さん達だからこその、素晴らしいお味噌仕込みの会でした。

ひだまり暮らしは初めての訪問で、でもどうしてもお味噌仕込みをしてみたくて、たくさん不安があった中でも勇気をもってご参加くださった方がいらっしゃいました。
そんな生徒さんをしっかりと見守る先生と、温かく受け入れる参加者のみなさんに人の優しさを目の当たりにさせていただきました。

また全日程を終えた後、今シーズンはどうしても都合がつかず参加がかなわなかった方が、ご自宅で自分ひとりでお味噌仕込みをしたことを後に知りました。
ひだまり暮らしでの経験を生かして、ご自身が自分の手で豊かに暮らすための行動されたことは、私たちにとってとても嬉しいことです。
楽しく、無理なく、朗らかに手づくりのある暮らしが広がりますように。

こうして写真を見て振り返るだけで、胸がいっぱいになり、お腹の底から温かなものが満ちてきます。

私たちが2018年6月に種を蒔いた青大豆。
お味噌が完成するのは2019年の年末。
食べるものを育み、収穫や選別などの食べものとするための営み、麹の発酵の力に委ねる時間の流れ。
すぐに結果を求めたくなるインスタントなスピード感の現代において、この時間の流れは別次元ともいえるかもしれません。
でもそんな時間の流れの中で、食べるということの意味や、命を育むことの意味、自分の手でつくるという手づくりの意味など、味噌づくりは多くのことを今シーズンも教えてくれました。
あとは麹たちにゆだねて、私たちは「美味しくなぁれ」と見守るばかり。
もう来年のお味噌仕込みに向けて種を蒔く準備を始める春がスタートしています。

お天道さまと畑の大地、
すくすくと育ってくれた青大豆、
麹屋さんなどのたくさんのお蔭様たち、
ご縁をつないでくれたたくさんの方たち、
つつがなく全日程・全工程を進めることができた健康な体、
すべてに心からありがとうございました!!

命をいただきます。
ごちそうさま。
ありがとう!