先日エッセイを書かせていただいたフリーマガジン「てくてく」で、「農ある暮らし研究家」と初めて名乗りました。
1~2月に通ったグリーンズ「作文の学校」の学びの中で、発信する以上は「私が何者であるか?」「ほしい未来とは?」という旗印をしっかりと掲げたい!という思いが募りました。
よく「農家さんですよね?」と訊かれたり、「農ある暮らしって、農家だと思ってました」といわれます。
またマクロビオティックの資格を持っていても、お料理教室をしてマクロビオティックの理論やテクニックだけを広めていきたいのでもありません。
田んぼや畑をしていて、「自給自足の暮らし」をしたいのでもありません。
私は、畑からはじまる手づくりのある暮らしの楽しさや豊かさ、消費だけにとどまらない「つくりだす」ことを軸にした価値観やライフスタイルを伝えたいのです。
そのために田んぼや畑で土を耕し、作物と対話します。
作物との対話からはじまる食卓があります。
自然の移りゆくさまを五感で感じることで、レシピや保存食の意味が生まれます。
昔から連綿と受け継がれてきた暮らしの知恵も、ほんの少しのエッセンスを加えることで、現代のライフスタイルにしっくりと馴染みます。
田畑の農法だけではなく、
料理のテクニックだけではなく、
ただ古の暮らしを回顧するのでもなく、
今を生きる私達が自分の置かれている環境で、自然の恩恵を大切に受け取りながら暮らすために必要な知恵や技術とは?
私にとっての幸せは、
田畑にあるたくさんの生命こそが教えてくれます。
たくさんの情報が飛び交う中で、自然の声を聴き、自分の心と身体の声を聞くことはほんの少しの練習が必要です。
その練習を「研究」として積み重ねてゆきたいのです。
誰のためでもなく、まずは自分自身の内側を満たすために。
自分を満たしてくれたものを必要としているどなたかに手渡すように。
無理をせず、楽しい工夫を重ねながら、失敗も研究の成果として前を向き、
畑からはじまる手づくりのある暮らしを伝えていきたいと思っています。
研究ですから、その成果はもちろん、過程にも大切な意味や価値があります。
その過程と成果を、「ライフスタイル」として発信をしていきます。
それを受け取ったどなたかの暮らしが、日常のカケラがささやかでも楽しく、豊かになりますように!