暮らしの手しごととしての藍染め

今年の藍染めの会は染め納めました。
(私自身の修練はまだしばらく続きます)

夏の生葉染めから、
秋の深まりとともに泥藍染めへ。
今年も藍の限りない可能性と魅力と奥深さに魅せられっぱなしでした。

特に今年は念願の深い藍色を染めることができるようになり、
労力も時間も自分のエネルギーも精一杯注ぎ込んで、
我ながら大きくレベルアップできたなぁと感慨深いです。

でも私は藍染職人を目指しているわけではありません。
自分で種まきから(もっというと土づくりから)藍を育て、
その生き様を見守り、
藍の生命力を限りなく最大限引き出した色に会いたい!
そしてそれを暮らしの中で身に纏い、日常的に使っていたいのです。

身土不二。
ネットで取り寄せた、どこか遠い場所から来た染料ではなく、
自宅の敷地に自生しているものや、
自分で育てた植物で染めることが、
きっと大昔から暮らしに寄り添った染めだったことでしょう。

自分で育てた藍の色に包まれる心持ちは、
触れる素肌の細胞が喜ぶかのような、
なんともいえない深い喜びと安心感と心強さです。

自分の手で、自分の暮らしが豊かに彩られること。
唯一無二の愛おしいものに囲まれる暮らしは、お金というものさしでは計れません。

他の草木染めとは振舞いが異なる藍に、
自分でも説明できない不思議な引力を感じてなりません。

暮らしの手しごとの会としての藍染めでは、
染める体験以上のことを「感じて」もらいたいと願っています。
でも藍の魅力を伝えるにはまだまだ、まだまだ力不足であることも感じます。

藍の生き様を伝え、
自分で染めた愛着のあるものを日常的に使いながら愛でること。
食べることと同じ、生命をいただく実感。
ひだまり暮らしだからこそ表現できる「暮らしの手しごと」としての藍染めを、
これからも真摯に探ってゆこうと思います。