畑とつながる台所〈お味噌づくり〉2023

今年のお味噌づくりの会の全日程が修了しました。
どの会も本当に和やかで、心温まる、豊かな会となりました。
ご参加いただきましたみなさん、本当にありがとうございます!

今シーズンは、お味噌の原料となる青大豆を我が家の畑で栽培する「過程」を、種まきの時から「#手前味噌物語」としてSNSに投稿を重ねてきました。

ご参加いただいたみなさんは、いつもSNSを通して青大豆の成長を見守ってきてくださったので、本当にお味噌づくり当日を楽しみにしてくださいました。

どんなモノにも「背景」や「想い」があって、
その過程=「物語」を知ることで、より愛着や親しみの気持ちが深まります。

完成した味噌樽を両腕に抱えるみなさんは、小さな我が子を抱くようにして、
本当に優しい眼差しで見つめます。
これから醸される季節をも楽しみに過ごされるのが、私達にとっても本当に嬉しいのです。

⁡食べることやつくることを、その「物語」と一緒に味わっていただけたら、
日々の暮らしはどれほど豊かに感じられるでしょう!

お天気などの状況により、できる限り畑をご案内しました。
青大豆の脱粒が終わった後の鞘や枯れ枝が再び土へ還るその過程や、
我が家の畑とつながる循環の在り方も、みなさんがとても興味をもって観てくださいました。

⁡お母さんが、嫁いで別に暮らす娘さんへ「バトンを渡すつもりで、私がまだ元気なうちに一緒に参加したかった」とお話しされた会は、
何かとても尊く深い愛情を目の当たりにした心地で、感動とともに背筋が伸びる思いがしました。

名古屋からご参加いただいた方はご当地の八丁味噌を差し入れしてくださり、
お昼にみんなで味見をしながら、風土に根ざした食文化に話題が広がりました。

⁡すでに昨年からご自宅でお味噌を仕込まれている方は、
「自分で仕込むことができるようになったのも、ここが原点なので、毎年ここで仕込むことを大切に思っています」と話され、
私達も本当に嬉しく、開催を継続することの喜びを感じさせていただきました。

「毎年同じように仕込んでいるのに、毎年味が違っていて、でもどれも美味しくて、味噌づくりの奥深さが楽しいです!」と仕上がった感想もお聞かせくださいました。
発酵って、本当に奥深くて、面白いですね!
だから毎年が新鮮に楽しみになるのでしょうか?

⁡お昼ご飯の白菜漬けやたくあん、自家製豆板醤で味付けたご飯を、みなさんが笑顔で頬張り、
「あぁ、美味しかったー」と言ってくださること。
その笑顔を思い浮かべながら、台所に立つ喜びをくださって、私達の方こそありがとうございます。

お母さんが嫁がれた娘さんと一緒に、
30年来のご友人が今年も日程を合わせて、
職場の先輩が若き後輩たちを誘って、
大切な人と一緒に参加してくださることを、
本当に有難く思います。

今回は、オプションで豆板醤づくりもありました。
原材料がお味噌とほぼ同じなので、お味噌づくりと併せて仕込むことのメリットも実感していただけました。
お味噌よりも早く仕上がるので、開封の楽しみも少し早くきてくれますね♪

今シーズンは、「白鶴こうじ」さんから米糀と麦麹を購入させていただきました。

毎回とてもきれいな麹を本当にありがとうございました!
お味噌を手づくりする風習がこれからもずっと、益々広がって、
全国の麹屋さんがいつも繁盛しているといいなぁと思います。
我が家のこんな近くに麹屋さんがあることを、本当に誇りにさえ感じています。

本当にどの会も朗らかで、楽しく、豊かで、温かでした。
青大豆や麹を大切に手で触れ、丁寧に樽に詰め、「美味しくなぁれ」と封をする様子は、
愛情が込められ、食べる人の笑顔と健やかさを願う「祈り」のようでした。

日々の食卓にお味噌汁があって、美味しくお健やかでありますよう、
私達はいつも祈るような気持ちを込めて、畑も台所も、お味噌づくり当日まで準備しています。

⁡このお味噌を開封したときに、仕込んだ時の想いが鮮やかに思い出されますように。

このお味噌を食べる食卓と、青大豆が育った畑がつながっていますように。

photo by Yasuyuki Hirose
今シーズンもたくさんの宝物のような瞬間を写し撮ってくれました。