『民藝』の入り口

昨年末、長野県の伝統工芸である松本箒の「米澤ほうき工房」さんを訪れた際、せっかくだから松本市内を巡ってみました。

 

特に中町通りには、白壁となまこ壁がとても風情のある、民藝にゆかりのあるお店が軒を連ね、本当に素敵でしたー♡
一日中でも居たいくらい♪

 

山梨へ帰ってきてから、「松本、民藝運動」で検索して、色々と調べてみたら、
これまで私が漠然と抱いていた「民芸」のイメージが根底からひっくり返ってしまいました。

実は、お恥ずかしながら、「民芸」って、なんだかあの鮭をくわえた熊の木彫りの置き物のイメージでした(笑)
子供の頃、うちにあったっけ。

 

先月、米澤さんをお招きしてミニほうき作りのWSを開催して、参加者のみなさんのアンケートからも、伝統工芸や民藝の精神は現代の感性にとっても素敵に受け入れられることを実感!

 

もっとしっかり「民藝」を学んでみたいなぁと、ネットで調べたり、本を読んでみたり。
そうしたら、父が「日本民藝館へ行ってみればいい」と教えてくれました。

 

日本民藝館。

なんと私の母校 駒場高校のすぐそばでした!
父に「お前はそんなことも知らなかったのか、今まで?」と半ば呆れられましたが、木彫りの熊さんのイメージしかなかった私には、今がベストなタイミングだったのだと(笑)

そして、訪れた日本民藝館は、とても趣のある建物で、入り口の大きな大きな引き戸を開けるところからワクワクしました♪

この扉の取っ手のところの風合いから、たくさんの人が訪れた歴史を感じます。

調べてみると、デザイン業界の大御所たちが度々訪れて、この空間からたくさんのインスピレーションを得たそうです。

 

館内ではちょうど「江戸期の民藝」の企画展を開催中でした。

特に印象的だったのは、「喫煙具」という革や木、金具が組み合わさったなんとも粋な数点。

着物の帯にクッとかませて、腰辺りにぶらさげながら歩く姿が目に浮かびました。

これって携帯カバーにこだわったり、カッコいいお財布にチェーン付けてジーンズのポケットからチラ見せする現代のお洒落と同じなんじゃないかと思ったら、無駄に大きい金具部分がなんとも微笑ましく感じました(笑)

 

「木綿 刺し子 稽古着」と表示された羽織りに施された刺し子の文様が、今の刺し子と全く同じで、藍染と相まってかなり素敵でした!

 

「めはじき塗 独楽盆」や伊万里の小皿などは実家に同じようなものがあるなぁと見慣れた風合いだったり。

 

とにかく「江戸時代」なのに、今の食器やファッションと比べても本当にお洒落で、

それを使っていた人達の暮らしの息づかいがイキイキと伝わってきました。
私にとっては衝撃的とさえ言える事実も判明!
つい先日購入した柳宗理の包丁。

機能的で使いやすく、とても美しいデザイン。

いつか欲しいなぁと憧れていたキッチンツール。

その柳宗理は、民藝運動の創始者 柳宗悦の息子さんでした‼︎

「えーーー、柳宗理って、そうだったのーー⁈」

 

日本民藝館の西館は柳宗悦一家が暮らした建物を公開しています。

(この日は公開日じゃなかったのが残念!)

 

館内の展示物の大半が、全く古さを感じさせない、現代のライフスタイルにも違和感なく溶け込むデザイン「機能美」に、本当に感銘を受けました。

 

これから「民藝」について、しっかり学んでいこうと思います‼︎

あぁ、奥深いところに踏み込んでしまった〜〜、ワクワク♡